一般的な健康とウェルネス
首と肩のこり:
なぜ起こるのか?どう対処すればいいのか?
一日の終わりに「首や肩がガチガチ…」という経験、誰にでもありますよね。最近では、首と肩のこりは「現代人の勲章」なんて呼ばれることもあるくらい身近なもの。でも「よくあるから仕方ない」とあきらめる必要はありません。正しい知識とちょっとした工夫で、毎日をもっと快適に過ごせます。
なぜ首と肩のこりが起こるのか?
首と肩のこりは、多くの場合「筋肉の使いすぎ」「姿勢の崩れ」「ストレス」の組み合わせで起こります。今の生活ではスマホやパソコンの画面を見ている時間が長く、筋肉は「動く」より「支える」役割ばかり押しつけられているのです。
たとえば、スイカを腕を伸ばして一日中持ち続けたらどうなるか…首の筋肉もそれと同じ状態になっています!
主な原因とリスク要因
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悪い姿勢:頭が前に出て肩が丸まる(Kim et al., 2018)
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繰り返しの作業:長時間のタイピング、運転、スマホ操作
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ストレス・不安:精神的なストレスは首や肩の筋肉を緊張させる(Falla et al., 2017)
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筋力バランスの崩れ:姿勢を支える筋肉が弱いと他の筋肉が過労状態に
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休憩不足:ずっと座りっぱなしは、車をエンジンかけっぱなしで放置するようなもの
💡 豆知識:人の頭の重さは約 4.5〜5.5kg(ボウリングの玉1個分)。頭が前に1cm出るごとに首への負担は倍増します(Hansraj, 2014)。
効果的な対策:
1. 理学療法(Physical Therapy, PT)
理学療法はマッサージやストレッチだけではありません。姿勢や筋肉のアンバランスを評価し、根本から整えるプログラムを提案します。研究では、運動を取り入れたPTの方が受け身の治療より長期的な効果が高いと示されています(Gross et al., 2015)。
理学療法で行うこと:
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関節や筋肉の硬さを改善する徒手療法
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深部頸部屈筋や肩甲骨周囲筋の強化
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ストレッチとモビリティエクササイズ
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デスク環境や姿勢の指導
2. セルフケアと日常の工夫
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こまめに休憩:30分ごとに2〜3分立ち上がって動く
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デスク環境を整える:画面は目の高さ、背もたれサポート、足は床につける
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呼吸法:お腹を使った深呼吸で首の緊張を軽減
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ストレス対策:散歩、瞑想、そして笑い
💡 豆知識:笑うと体の筋肉の緊張は最大 45分間 和らぎます(Berk et al., 1989)。
3. その他のアプローチ
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温熱(ホットパックなど)
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セルフマッサージ(テニスボールを壁にあてるだけでも効果的)
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ヨガや太極拳、ピラティスなどの全身運動
日中や仕事中にできる工夫:
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デスクに水を置き、こまめに水分補給
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1時間ごとに「姿勢チェック」:耳と肩が一直線か?肩は力んでないか?
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付箋やスマホアラームで「動くリマインダー」
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スマホ休憩をストレッチ休憩に変えてみる
5分でできる首と肩リセット・ルーティン
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首の横ストレッチ(左右20秒ずつ)
耳を肩に近づけるように首を横に倒します。手で軽く頭を押さえるとさらに伸びます。 -
チンタック(あご引き運動)(10回)
顔を下に向けず、あごをまっすぐ後ろに引き、二重あごをつくるように動かします。首の奥の筋肉が働きます。 -
肩回し(前後10回ずつ)
肩を大きく前から後ろ、後ろから前へ回します。血流が良くなり、肩の緊張が和らぎます。 -
ウォールエンジェル(10回)
壁に背中をつけ、ひじを90°に曲げた状態で壁に押しつけます。そのままゆっくり腕を上下に動かします。肩甲骨まわりが鍛えられます。 -
背中ストレッチ(20秒)
両手を前で組み、腕を前に伸ばしながら背中を丸めます。肩甲骨の間が気持ちよく伸びます。
👉 このルーティンは仕事や勉強の合間に たった5分 でできるリセット法です。続けることで首・肩のこりを防ぎ、姿勢改善にもつながります。

まとめ:
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首と肩のこりは、姿勢やストレス、動かない習慣から起こることが多い
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頭の重さ(ボウリング玉1個分!)は想像以上に首に負担をかける
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理学療法と日常の工夫で改善できる
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笑うこと、休憩すること、5分ルーティンでこりを防げる
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ポイントは 「こまめに動く」「筋肉を鍛える」「肩に世界の重みを背負わせない」
参考文献
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Berk, L. S., Tan, S. A., Fry, W. F., Napier, B. J., Lee, J. W., Hubbard, R. W., … & Eby, W. C. (1989). Neuroendocrine and stress hormone changes during mirthful laughter. American Journal of the Medical Sciences, 298(6), 390–396.
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Falla, D., Jull, G., Hodges, P., & Vicenzino, B. (2017). An updated review of the etiology of neck pain and its management. Manual Therapy, 23(1), 1–7.
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Gross, A., Kay, T. M., Paquin, J. P., Blanchette, S., Lalonde, P., Christie, T., … & Graham, N. (2015). Exercises for mechanical neck disorders. Cochrane Database of Systematic Reviews, 2015(1), CD004250. https://doi.org/10.1002/14651858.CD004250.pub5
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Hansraj, K. K. (2014). Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head. Surgical Technology International, 25, 277–279.
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Kim, D., Cho, M., Park, Y., & Yang, Y. (2018). Effect of smartphone use on muscle fatigue and pain and the importance of breaks. Work, 61(3), 367–373. https://doi.org/10.3233/WOR-182819